「春日若宮おん祭」は、今年も12月15日(月)から18日(木)を中心に開催されます。
特にメインとなる祭儀は、中日の17日に執り行われる「お渡り式」と「御旅所祭(おたびしょさい)」です。約900年前から途絶えることなく続く、奈良を代表する荘厳な伝統神事で「大和一国をあげて行う祭り」と称される通り、古式ゆかしい装束に身を包んだ大勢の行列が奈良の街を練り歩く壮大なスケールのお祭りです。
ここでは、「いつ、どこで、何が見られるのか」といった基本的な情報はもちろん、人混みを避けつつお祭りの見どころ「お渡り式」や「宵宮」を楽しむための穴場ルートやおすすめの過ごし方をご紹介。駐車場や交通規制の情報も詳しく解説していますので、満喫した一日を過ごせるようお役立てください。
イベント概要
| 項目 | 詳細 |
| イベント名 | 春日若宮おん祭(かすがわかみやおんまつり) |
| 開催日時 | 2025年12月15日(月)〜18日(木) ※メインは17日(水) |
| 開催場所 | 春日大社、若宮神社、お旅所(御旅所)、奈良市内一円など |
| 例年の来場者数/規模感 | 昨年:約10万人 例年多くの来場者で賑わいます。 |
| 有料観覧席や入場料の有無 | お渡り式の一般観覧は無料。 お旅所での「御旅所祭」は有料観覧席が設けられます。 ※詳細は後述の公式サイトをご確認ください。 |
| お問い合わせ先 | 春日若宮おん祭保存会(春日大社内) TEL:0742-22-7788 |
| 公式サイト | 春日大社 公式サイト(「おん祭」特設ページ) |
| 周辺マップ | 📍春日大社 |
おん祭の魅力は、その「生きた歴史」に尽きます。約900年前に飢饉を乗り越えるために始まったお祭りが、現代まで同じ形で残っていることに、奈良の文化の奥深さを感じますね。

特に、17日の祭儀で奉納される芸能は、平安・鎌倉時代のスタイルを今に伝える貴重なもので、「見る」だけでなく「体感する」歴史といえます。

個人的には、宵宮で奉納される「細男(せいのお)」「田楽」といった古式の芸能は、幻想的で、翌日の賑やかな「お渡り式」とはまた違った趣があり、おすすめです。
アクセス方法
春日大社および祭りの中心地となる若宮神社・お旅所(御旅所)は、奈良公園内に位置しています。特に12月17日(水)の「お渡り式」当日は、市内中心部の大規模な交通規制が敷かれるため、公共交通機関の利用を強く推奨されています。
電車の場合
最も確実で便利なアクセス方法です。JRまたは近鉄奈良駅からのバス移動か、徒歩移動となります。
- 徒歩:約30〜40分(奈良公園を通り抜けるルート)
- バス:奈良交通バス(春日大社本殿行、東大寺大仏殿・春日大社前行など)で「春日大社本殿」または「東大寺大仏殿・春日大社前」下車。
- 徒歩:約20〜25分(奈良公園の入口にあたります)
- バス:奈良交通バス(春日大社本殿行、東大寺大仏殿・春日大社前行など)で「春日大社本殿」または「東大寺大仏殿・春日大社前」下車。
近鉄奈良駅からの徒歩ルートは、奈良公園内の「ならまち」を散策しながら向かえるため、移動自体が観光の一部となります。お祭りの賑わいを体感したい方は、近鉄奈良駅から徒歩で向かい、17日の「お渡り式」が行われる三条通りや猿沢の池周辺の雰囲気を楽しむのがおすすめです。ただし、17日の午前中は「お渡り式」の準備で多くの人がいることを念頭に置いておきましょう。
車の場合
お渡り式当日の車での来場は、極めて困難です。 主要道路を含む広範囲で交通規制が敷かれ、駐車場への入庫・出庫が困難になるだけでなく、奈良市内の大渋滞に巻き込まれる可能性が高いです。
- 西名阪自動車道 郡山IC:メイン会場(春日大社周辺)まで通常時約20〜30分。
- 京奈和自動車道 木津IC:メイン会場まで通常時約30〜40分。
祭り当日(17日)の午前9時から夕方にかけて、奈良市内の主要道路は麻痺状態になります。もし車で来場を検討されるなら、奈良市外の主要駅周辺の駐車場に車を停め、そこから電車(JRまたは近鉄)で奈良駅まで移動するパーク&ライドを強くおすすめします。
バスの場合
JR・近鉄奈良駅から春日大社方面へは奈良交通バスが便利です。しかし、交通規制時間帯はバスルートが大幅に変更または運休となる区間があるため、公式サイトで運行情報を必ず確認してください。

規制区域外のバス停から徒歩で規制区域内へ向かうのも便利です。
周辺の駐車場
臨時駐車場
前述の通り、12月17日(水)は交通規制により周辺駐車場は非常に利用しづらくなります。春日大社周辺に臨時駐車場・無料駐車場は設けられません。
上記のように少しだけメイン会場にも駐車場が設けられます。しかし、例年何十万人規模の来場者数が見込まれるため、周囲の駐車場の確保もなかなか難しいと予想されます。公共交通機関のご利用や、少し離れた場所の有料駐車場がおすすめです。
以下のコインパーキングも、規制時間帯は出入庫ができなくなる場合もある点にご注意ください。
周辺のコインパーキング一覧
| 駐車場名 | 収容台数 | 利用可能時間 | 利用料金(時間帯・曜日) | 会場までの徒歩所要時間(お旅所) |
| タイムズ奈良市営登大路自動車駐車場 | 100台 | 24時間 | 30分 200円 (最大料金設定あり) | 約15分 |
| 近鉄奈良駅前駐車場 | 150台 | 24時間 | 30分 250円 (最大料金設定あり) | 約20分 |
| 奈良公園バスターミナル駐車場 | 200台 | 7:00〜22:00 | 1時間 500円 (最大料金設定なし) | 約10分 |
| (規制区域外推奨)リパークJR奈良駅前 | 50台 | 24時間 | 60分 300円 (最大料金設定あり) | バス・電車で約10〜15分 |
おん祭の日に奈良公園周辺の駐車場を確保するのは至難の業です。「アキッパ(akippa)」や「特P」などの民間の予約駐車場サービスをチェックしてみてください。
交通規制の範囲外にある、個人宅や空き地を時間貸ししている駐車場を事前に予約しておけば、当日焦る必要がありません。少々歩くことになっても、確実に停められる安心感は、お祭りを楽しむ上で非常に重要です。
交通規制について
- 規制日時(目安):12月17日(水) 午前9時頃 〜 夕方5時頃
- 規制エリア:JR奈良駅前、近鉄奈良駅前、三条通り、登大路、高畑町、春日大社周辺など、お渡り式ルート全体。
- 規制内容:一般車両の通行止め、路線バスの迂回・運休、駐車場の利用制限。

交通規制は、単なる渋滞対策ではなく、古式ゆかしい行列を安全に、そして厳かに執り行うための重要な措置なんですね。

また、規制解除後も市内の混雑は続きますので、時間に余裕を持った行動をおすすめします。
お祭りを楽しむおすすめルート
ここでは、人混みを避けつつ、おん祭の主要な見どころを効率よく巡るための「おすすめルート」を紹介します。
16日(火)宵宮を楽しむルート(夕方〜夜)
宵宮では、若宮様がお旅所へ向かう前に立ち寄る大宿所(通常は非公開)で、夜通し様々な芸能が奉納されます。

「おん祭」は17日の「お渡り式」が有名ですが、少し静まった16日の「宵宮」での来場もおすすめです。夜の闇の中、かがり火に照らされて舞う古式ゆかしい芸能は、まるでタイムスリップしたような感覚に陥ります。

奈良の冬の寒さが身にしみますが、それもまた格別。ぜひ、この特別な夜を体験してみてください。
17日(水)メインイベントを楽しむルート(午前〜午後)
まずは、お祭りの主役である若宮様が鎮座する若宮神社へ。静かな朝の神社で、祭りの厳かな雰囲気を先取りします。
行列の出発地点(春日大社)は混雑します。狙い目は、三条通りです。近鉄奈良駅に近くアクセスが容易なうえ、行列が隊列を整えて進んでくるため、写真撮影にも適しています。
お渡り式のゴール地点であるお旅所(御旅所:JR奈良駅方面)へ移動。ここでは、「流鏑馬(やぶさめ)」や「舞楽」など、時代ごとの様々な芸能が夜まで奉納されます。

有料観覧席の用意もありますが、御旅所の周辺からも雰囲気を味わうことは可能です。

ぜひ、最適なスポットを事前にリサーチしてお祭りに参加してみてください。
まとめ
春日若宮おん祭は、約900年の長きにわたり、奈良の地で人々の安寧を願い、途絶えることなく受け継がれてきた、まさに「生きた文化財」。古都奈良の歴史と格式を今に伝える、この荘厳な祭りの主役は、豪華な装束に身を包んだ行列に参加する人々だけでなく、その祭りを静かに見守り、支える奈良の人々、そしてあなた自身です。
日程やアクセス、交通規制の情報をしっかりと把握し、12月17日の「お渡り式」の壮大さや、16日の「宵宮」の幻想的な雰囲気を最大限に堪能してください。歴史が好き、日本の伝統芸能に興味がある、あるいは奈良という土地の奥深さに触れたいと思っているすべての方にとって、春日若宮おん祭は、きっと一生の記憶に残る感動的な体験となるでしょう。
冬の凛とした空気の中、古都の魂が息づくこの祭りで、特別な一日を彩ってみませんか。



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