「友情結婚」とは?恋愛抜きで選ぶ新しい結婚のかたち マッチングアプリや相談所の活用がここにも

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恋愛や性的関係を前提としない「友情結婚」が、近年静かに注目を集めています。LGBTQ+当事者や恋愛に興味のない人、ライフスタイルを優先したい人など、さまざまな事情を持つ人々が「家族」という形を築くために選ぶ、新しいパートナーシップの形。それは単なるビジネス結婚とは異なる、信頼と協力に基づいた関係性です。

本記事では、友情結婚の定義や実際の事例、マッチングの方法、ネットでの反応まで詳しく解説します。

友情結婚とは?

友情結婚とは、恋愛感情や性的関係を伴わない前提で成立する結婚のことです。主にLGBTQ+の当事者や、アセクシュアル・アロマンティック(恋愛や性的欲求を抱かない)な人たちが、自分のライフスタイルや価値観を尊重しながら、社会的な「結婚」という形を取りたい場合に選ばれる関係です。
たとえば同性が恋愛対象の人が異性と結婚し、互いのセクシュアリティを尊重しながら家庭を築くこともあります。結婚による法的保障(税制や相続、住まいなど)を得ることや、親・世間に対するカモフラージュ的な目的も含まれる場合がありますが、お互いに支え合い、生活を共にする「家族」としての関係を築く点が特徴です。

ビジネス結婚とは違うの?

一見似ているようで異なるのが「ビジネス結婚」です。ビジネス結婚とは、メリットや利害を明確にした契約的な結婚関係のこと。財産や地位、社会的立場を維持するために戦略的に結婚するケースが多く、必ずしもお互いの人間関係を深めることを目的とはしていません
それに対して「友情結婚」は、信頼関係と日常生活のパートナーシップが重要視されます。ただの形式的な関係ではなく、お互いを理解し尊重しながら、家族としての協力体制を築くことに重きが置かれているのです。

どんな実例があるの?

実際に友情結婚を選んだ人々にはさまざまな背景があります。
  • ゲイの男性とレズビアンの女性が子どもを持つために結婚するケース:互いの性的指向を尊重しつつ、親として協力して子育てをする関係。
  • 恋愛に興味のない男女が生活の安定と老後の備えのために結婚するケース:愛情や性を伴わないが、心地よい距離感で共に暮らす関係。
  • 障がいや精神疾患を持つ者同士が支え合うパートナーとして結婚するケース:制度的・社会的な後ろ盾を得ることで、安心して生活できる。
これらの例からもわかるように、「恋愛ではないが信頼できる相手と一緒に生きる」選択肢が、友情結婚なのです。

友情結婚専門のアプリや相談所

近年では、友情結婚を希望する人同士をマッチングする専門アプリ結婚相談所も増えてきています。
【代表的なサービス例】
  • パートナーシップサポート:LGBTQ+や非恋愛志向者向けのマッチングサービス。関係のすり合わせやサポート体制が充実。
  • 友情結婚相談所Colorus(カラルス):日本で友情結婚を専門に扱う数少ない相談所。面談を通じて相性や価値観を重視したマッチングを行う。
これらのサービスでは、恋愛を前提としないライフパートナーを求める人に対して、価値観の一致を重視した紹介やサポートが行われており、婚活よりも“人生の伴走者探し”に近いといえるでしょう。

ネット上の反応は?

友情結婚に関するネット上の声は賛否両論ありますが、概ねポジティブな意見が増えてきています。
【肯定的な声】
  • 「恋愛しないと結婚できないという呪縛が解けた」
  • 「LGBTQ+にとって、現実的な選択肢の一つだと思う」
  • 「家族として支え合える関係って素敵」
【否定的な声や懐疑的な意見】
  • 「本当にうまくいくのか不安」
  • 「社会的な偏見や誤解がまだ根強い」
  • 「子どものことを考えると難しいのでは?」
とはいえ、SNSやYouTube、ブログなどで友情結婚の経験を公開する人も増えており、リアルな声が届きやすくなっているのが現状です。

まとめ

「友情結婚」は、これからの多様化社会において重要な選択肢の一つとなっているようです。恋愛至上主義の価値観に縛られず、自分らしい生き方を選びたいと願う人にとって、非常に有効な手段となり得ます。
今後、法制度や社会の理解が進むことで、友情結婚はもっと広く認知される可能性があります。『恋愛しなくても、家族になれる』そんな生き方を応援する社会の一歩が、すでに始まっているのかもしれません。

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